しっかり『歯磨き』できていますか?ある獣医師の話によると、実際にしっかり歯磨きをできている飼い主さんは10%もいないといいます。でも野生の猫は歯を磨かないから大丈夫でしょ?と思っている人もいるのではないでしょうか。今回は猫の『歯磨き』について解説していきます。
歯磨きができるようになる方法とは?

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まず『口に触ること』からスタート。いきなり歯磨きから始めると、うまくいかないことが多いので、具体的に次の順でやってみてください。①口のまわりに触れる➁唇をめくる➂歯、歯肉に触る④濡らしたガーゼで触る⑤ガーゼでこする⑥歯ブラシを口や歯肉にあてる⑦歯磨きをする。
犬と違って猫はご褒美でしつけをしづらいため、根気のいる作業になります。少しずつ慣れるようにトレーニングしていきましょう。
猫の『歯磨きトレーニング』の注意点は?
嫌な記憶を残さないために、歯磨きトレーニングの最後は『楽しいこと』で終わらせます。うまくステップが進んだ場合でも、猫が嫌がる前にやめましょう。
また、猫は触り過ぎると嫌がる生き物です。触っていると『しっぽを振る』といった、イライラのサインが出ていることにも気づいてあげましょう。
歯磨きは必要?磨かないとどうなる?
歯を磨かないと歯肉炎になって、ご飯が食べられなくなります。症状が酷くなると歯茎や顎、鼻を溶かしてしまいます。さらには、歯周病菌が全身にまわってしまうことも……。
獣医さんがおしえてくれた!『歯磨きより大事なこと』

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1年に1回、動物病院で『歯のチェック』を受けることが大切です。必要があれば適切なタイミングで、歯の歯石取りを行います。
というのも、猫に歯磨きをしていても、人間同様に100%、歯の病気を防げるわけではありません。私たち人間も歯医者さんへ行き、検診をしてメンテナンスをしますよね。猫も同じように、歯磨きをしていても検診が必要になるわけです。
猫の『歯石取り』ってどんな感じ?
『全身麻酔』をして歯石を取ります。麻酔のリスクや費用もそれなりにかかります。難しいケースとしては、かなりの『高齢猫』や『腎臓病が重度な段階にある猫』です。このような場合は歯石取りをすることが困難になるため、やはり、1年に1度の検診を通して、早めにケアや対処をしていくことが重要になります。
『歯磨き』できない猫はどうする?

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主な選択肢は2つ。デンタルフード、もしくは、歯石を溶かす液体です。『デンタルフード』は、ガムや大きい粒のおやつを食べることで歯磨きできます。歯周ポケットまでをきれいにできない点や、飲み込んで喉に詰まらせないように注意が必要です。また、歯肉炎や口内炎が重度の場合には、噛むことが難しいので不向きです。
『歯石を溶かす液体』は、歯肉炎や口内炎が重度の場合でも使用できます。クオリティの高い液体やジェルは値段がそれなりに高くなってしまうため、普段使いをするには向いていません。種類が豊富にあるものの、薬同様に全ての猫に効くというわけではないため、猫の体質にあったものを選ぶことが大切です。安全性を含めて、獣医さんに相談する方がいいでしょう。
まとめ
歯磨きについて解説してきました。いちばん大事なことは、『1年に1度、獣医さんに歯の検診をしてもらうこと』です。やはり、歯ブラシを使って歯磨きすることがベスト。何もしないよりは、デンタルフードや歯石を溶かす液体を使用する方がマシということでした。
獣医さん自身も『歯のケアは難しい』と主張し、愛猫の歯磨きを諦めたとのことでした。みなさんも愛猫の歯のケアについて検討してみてください。
次回は『シャム猫ってどんな猫?飼うのが難しそう?!』というテーマでお伝えします。お楽しみに!
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文 / ラカエス花
フリーライター