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子猫のトライアルに必要なものは?失敗や後悔を防ぐため準備やコツも紹介


子猫を迎えるには、キャッテリーやペットショップ経由のほかに、保護された猫の里親になるという方法もあります。保護猫カフェや里親募集コミュニティを通して猫を向かえる際には、正式譲渡の前に「トライアル」できる場合もあります。今回は、猫のトライアルについて失敗や後悔を防ぐためのポイントや注意点について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

そもそも猫のトライアルとは?

猫のトライアルとは、正式譲渡の前に「猫が新しい環境に慣れて暮らしていけそうか」「先住猫との相性は問題なさそうか」などの点をチェックするために、一定期間一緒に暮らしてみることです。トライアル期間は、1~2週間が目安となります。

トライアル前に必要な4つの準備

トライアルはあくまでも、正式譲渡を前提としたものです。申し込む前には、最低限次のようなことを行い、本当に猫を迎えられそうかしっかり検討しておきましょう。

1.家族の同意を得る

家族全員が子猫の飼育に賛成しているかどうかは必ず確認しておきましょう。子猫の飼育には、体調管理やしつけなどの手間がかかります。また、成猫のように長めの留守番は難しいため、いざというときに家族の協力が得られるかどうかはとても大事です。

2.譲渡にかかる費用を確認する

子猫の譲渡には、ワクチン接種費用や初回検査費用、その他治療費などの譲渡費用がかかります。また、生後半年程度に育っている猫の場合は、すぐに去勢・避妊手術が必要になるかもしれません。譲渡にかかる費用については、サイトに明記してあるほか、メールなどで文書として残してもらうと後からトラブルにならなくて済むでしょう。

3.猫の習性・飼育についての基礎知識を身に付けておく

猫には、高いところによじ登る、爪を研ぐなどの習性があります。特に、子猫の時期には活発に動き回ったり、オモチャで激しく遊んだり、ときにはいたずらをしたりする場合も。猫を初めて飼う人の目には、ひどく暴れん坊に映ってしまうかもしれません。実際に中には、「カーテンに登った」という理由で返されてしまったケースも・・・。

こうした子猫特有の落ち着きのなさ・やんちゃは、成長と共に徐々に落ち着いていくものです。一時的な事象で譲渡を断念するということがないよう、猫を初めて飼う場合でも、その習性・飼育について最低限の基礎知識は持っておきましょう。

4.終生飼養できるかよく考える

最後までその命に責任を持てるかどうか、自分や家族の今後のライフイベントや年齢、健康状態などを踏まえてよく考えておきましょう。猫の平均寿命は15歳ほどと犬よりも長く、最近では20歳以上の長寿猫も珍しくありません。また、高齢になるに伴って、治療費や入院費などもかかってきますので、経済的な余裕も必要です。

失敗や後悔を防ぐための4つのポイント

ここからは、具体的にトライアルを検討するにあたり、失敗や後悔を防ぐために押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

1.保護者とはしっかりやり取りする

トライアルにあたっては、保護者さんと直接やり取りをすることになりますが、メールやチャットだけでなく、一度電話で話せるとどんな人か分かるので安心です。また、子猫のウイルス検査や寄生虫駆除、ワクチン接種などの健康チェックをきちんと行っているかどうかも、信頼性を測る大事なポイントです。加えて言えば、家から近い人のほうが、トライアルを含む子猫の移動に負担がかかりません。

2.子猫の健康状態を確認しておく

ウイルス検査の結果に加えて、子猫の元気や食欲、体重なども確認しておきましょう。保護者さんに失礼のない範囲で、目やにや鼻水は出ていないか、耳の中はきれいか、良いウンチが出ているかなども確認しておくと安心です。猫とべったりしたい場合には、人に慣れているか、抱っこがOKかどうかも聞いておくと良いでしょう。もし分かれば、親猫の健康状態や性格なども教えてもらいましょう。

3.子猫の月齢・社会化も意識する

社会化期に人間との交流が少なかった猫は、人に対して恐怖心を抱いてしまう場合もあります。猫の社会化期は生後2週間~9週齢頃とされており、早い段階から人の手に慣れている猫は初日からでも抱っこされたり膝の上に乗ってきたりするなど、人間になつきやすい傾向が見られます。

猫とべったりしたい場合には、社会化期までに人間に慣れている猫のほうがやりやすいかもしれません。ただし、警戒心が強い猫でも、安心できる環境と分かれば、心を許して別猫のように甘えてくる場合も多くあります。また、飼い主への依存心が少ない猫のほうが、お世話の手間がかからないという面もあるでしょう。

約4カ月の子猫

4.先住猫にも十分配慮する

正式譲渡断念の理由にもっとも挙げられるのが、トライアル中の先住猫との相性の悪さです。子猫の登場によってストレスを感じた先住猫が体調を崩してしまう、嫉妬から子猫に威嚇することは珍しくありません。こうした問題についても、時間の経過と共に解消される場合が多いでしょう。

ただし、臆病で神経質な猫は多頭飼いには不向きな場合が多く、特に成猫になっていると子猫の存在を受け入れにくいかもしれません。また、シニア猫だと子猫の激しさに疲れてしまうことも。多頭飼いの場合、もっとも相性が良いのは子猫同士です。

兄弟姉妹でお迎えするのもおすすめ♪

また、先住猫への感染リスクなどにも十分注意が必要です。保護猫は、猫エイズや白血病以外にも、ヘルペスウイルスやカリシスウイルスなどの感染症にかかっている可能性が少なくなく、人間の手指や衣類を通して先住猫に移してしまう病気もあります。健康チェック前の状態で猫同士を安易に接触させない、ウイルス感染が疑われる場合には先住猫とむしろ隔離させる必要があります。

子猫のトライアルに必要なもの

トライアル中でも、以下のようなものは必要になってきます。子猫が1日も早く新しい環境に馴染めるように工夫してあげましょう。その姿勢を見た保護者さんにも、ぜひこの人に譲りたいと思ってもらえるでしょう。

【MUST】

・ケージ(保護者さんが貸してくれる場合も)
・猫用トイレと猫砂(保護者さんのところで使っていた猫砂を少し分けてもらうと、ニオイからトイレだと認識しやすくなります)
・フード(子猫が胃腸を壊さないよう、トライアル中は保護者さんが与えているフードを継続するほうが良いでしょう)
・猫用の食器

【WANT】

・オモチャ
・爪とぎ
・首輪+鈴
・猫用ベッド
子猫の場合は隠れてしまったときの所在確認用に、鈴も付けておくほうがよいでしょう。フリマアプリには、子猫向けの柔らかくてかわいい鈴がたくさん売られています。

ベッドがあればゆっくり寛いでもらえますね♪

トライアルに関する譲渡側の注意点

最後に、トライアルにあたって譲渡側として十分配慮したいポイントについて紹介します。

断念する場合は早めに連絡する

子猫が新しい環境に強いストレスを感じている、先住猫との相性が極端に悪いなど、正式譲渡が難しいと判断された場合には子猫を返すこともできます。ただし、その場合はできるだけ早めに連絡しましょう。一般的に、子猫の月齢が上がれば上がるほど、里親さん探しが難しくなるためです。申し込みからトライアル実施までの期間も、あまり空けないようにしましょう。

トライアル中の診察は事前に保護者にも相談する

トライアル中に子猫が体調を崩し、診察が必要になる場合もあるかもしれません。その場合は、保護者さんにも事前に連絡することをおすすめします。治療前にトライアル中の費用分担をどうするかについても決めておくほうが、後からトラブルにならなくて済みます。

トライアル=お試し期間と思わない

トライアル=「気に入らなければ返品できるお試し期間」ではありません。子猫のトライアルは、洋服は靴のそれとはまったく違います。子猫には命があり、1日1日と成長しています。猫に対するあまりに無知や身勝手な理由で返すということは避けましょう。里親さんを探している猫を見ると、「かわいそう」「なんとか助けてあげたい」という気持ちになってしまうかもしれませんが、トライアル後に「やはり飼えない」となるのは、よりつらいものです。

十分なリサーチでトライアル後のアンマッチを防ごう

正式譲渡にあたり、トライアルができるのは譲渡側にはとても安心です。ただし、子猫や保護者さんに迷惑をかけないためにも、申し込みは本気で譲渡を検討する場合に限りましょう。また、トライアル後のアンマッチを避けるために、申し込む前のリサーチもお忘れなく。猫の習性や飼育方法、子猫の性格や健康状態について情報収集・確認するほか、保護者さんともしっかりとやり取りを行い、納得したうえでトライアルへと進みましょう。

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文/こしあんブルー
愛玩動物飼養管理士2級
キャットケアスペシャリスト