ねこラム

題名のない猫物語4


二度目の出産と里親探し

出産に立ち会ってから数週間程たったある晩、私のベッドの布団の足元に飼い猫の1匹が潜り込んできました。
出産を控えたもう1匹の猫でした。

眠りについてすぐの頃だったと思います。何やら足元がヌルヌルと湿った感覚を覚え、目覚めました。
お漏らししたのかと布団を開けると、私の足元で出産が始まっていました!
驚きましたが、二度目の出産の経験だったので、冷静だったようです。
寝惚けていたせいかあまり記憶にないのですが、出てきた仔猫のへその緒までハサミで切っていたと、後々父から聞きました。
一回目の出産経験が活かされたのです。

翌日から、姉妹同士の母猫2匹を、新しく作った一つの寝床に作り移しました。
仔猫達は二人の母猫を慕って、自分の母猫じゃない母猫のお乳まで吸っていました。
しっちゃかめっちゃかです。私は楽しくてたまりませんでした。
母は、このままでは我が家が猫屋敷になってしまう、と恐れたようです。
保健所に皆連れて行きます!と言い出したのです。
びっくりしました!私は庭で飼うから保健所には連れて行かないで欲しいと、必死にお願いをしました。

そして、母は考えました。クラスのお友達のお母様達に連絡をし、里親探しをしたのです。
その頃、私はよく学校の友達を家に呼んでは仔猫達を見せびらかしていたので、引き取り手はすぐに見つかったのです。
友達のところに貰われていった以上、諦める他ありません。
最後の1匹が居なくなった日、私はトイレに込もって大泣きしました。

当時の不思議な猫のしつけ

出産前の話しに戻ります。
家の中での暮らしを許された猫達ですが、元々は外での生活に慣れています。
そこで、庭との行き来を、できる限り猫達の意志で出来るように、と私は考えました。

まず、ドアや窓の内側と外側に鈴を取り付け、猫達を呼び集めました。
そして、「あなた達、お外に出たい時はこの鈴を鳴らしなさい!」と言いました。
子供の頃の私は、自分の話を猫達が理解できると思い込んでいたので、普通にこのように言い聞かせたと思います。
「外に出たい時は鈴をこのように鳴らしなさい!」と話しながら、手(前足)を掴み、鈴へ誘導して鳴らさせて、ドアを開けて見せました。
それを見ていた母は、理解できるわけがないと笑っていました。

猫達は、そんな母を裏切ってくれました。
その日のうちにどの猫も鈴を鳴らし、知らせてくれたのです。
初めは1匹につられて他の猫達も出て行く流れでしたけが、大成功です!

お家に入りたい時も、鈴を鳴らして知らせるようにと話しました。
初めは「ニャー」と声をあげて知らせてくれました。ですので、家に入れる前に、また手を鈴へ誘導して鈴を鳴らしてから、家に入れてあげました。
猫達は、すぐに理解しました。母は驚いていましたが、当時の私は当たり前だと思っていたので、驚く母の方が不思議でした。

部屋にトイレを作ってありましたが、汚れることのないまま捨てることになりました。
賢い猫達でした。
しかし、この成功の裏には、一つだけ予想もしなかった欠点がありました。
深夜この呼び鈴が鳴り響き、ぐっすり眠っている私を起こすのです。最初のうちは飛び起きてせっせと足を拭き、お家に入れてあげていました。
これが度々になると、遊び疲れて寝ている子供にとっては苦痛となってきました。よそで鈴の音を聞いてもビクッとする程になりました。
深夜に鈴の音を聞くと、悪夢にうなされながら無視して寝ることが増え、見かねた母が両親の寝室の窓に鈴を設置してくれたことで、一件落着したのです。
お母様その節は有り難うございました。