ねこラム

題名のない猫物語3


猫の赤ちゃんとの出会いと別れ

そのお芋みたいな物体がピーピーと鳴き始めたので、急いでタオルで包んで濡れた体を無我夢中で拭き、母猫の顔の側に置きました。
それこそ、芋づる式に出てきたように記憶しています。最後の5匹目が生まれ出るまで、てんやわんやだったと思います。

翌朝、様子を見にいった際に、段ボールや敷いてあったタオルが赤茶に染まっているのを見て、酷く驚いたのを覚えています。
もし暗がりの中での出産の立ち会いでなければ、悲鳴をあげていたことでしょう。

その後、母猫は仔猫を守ろうとして、時に食べてしまうこともあるという話を聞きました。その話を聞いた自分は、当時どう思ったのでしょう。記憶にありません。

それより、産まれたての仔猫は可愛い過ぎて、それこそ食べてしまいたくなる程です。
母猫に身体をキレイに舐めてもらって、ホワホワのお芋に変わりました!

目が見えていないので、なかなかお乳に辿り着かない仔猫を、何度もお乳に誘導してあげました。
モズモズと震えた体を動かし、ピーピーピーピーと鳴きながらお乳を探る光景が、今でもハッキリと目に焼き付いています。癒しの動画として最高です。

数日経ったある日、1匹のお腹が風船のように腫れていました。
よく見るとへその緒がしっかり切れていないのか、チューブのようなものが出ていました。
他の仔猫のへその緒は、母猫がキレイに食べていました。

母猫の口まで子猫のおへそを近づけても舐めるだけだったので、引き離したくありませんでしたが病院に連れていくことにしました。

原因は、羊水がお腹にたまっているとかなんとかだったと思います。
どんな処置をしてもらったかは覚えていませんが、その翌日にその仔猫は死んでしまいました。
ショックな出来事でした。

何よりショックだったのは、母猫の様子でした。
冷たくなった子猫をずっとずっと舐めながら時折高く小さな声で鳴いていました。

母がお墓に埋めてあげましょうというので、仕方なく庭にお墓をつくりました。
そして、その後何日間か、夜な夜な家の周りを徘徊しながら泣いているような母猫の鳴き声が聞こえました。
きっと子猫を探しているのね…と母が言っていたのを覚えています。
残ったお芋達は元気でしたが、まだまだ目が離せない時期だったと思います。