ねこラム

題名のない猫物語2


はじめての出産

私はクラスの皆から猫好きだと思われていました。

友達を家に呼んで猫と会わせたり、クラス日記に愛猫の話題を書いていたからでしょう。

そのため、段ボールに子猫が捨てられているから来て欲しい、といった連絡がよくありました。
勿論、すぐに駆けつけて連れて帰りました。

段ボールに入れられて捨てられた猫は、当然子猫ばかりです。成猫とは違うので、寒くて死んでしまわないよう庭に4、5匹程がゆったり入る段ボールのお家を作りました。

ある朝ご飯をあげようと庭に出ると、その子猫達が1匹残らずいなくなっていました!
慌てて道路に飛び出して見渡しました。
いません。
そしていつものようにご飯を入れたアルミの小さな鍋をスプーンでカンカンカンと鳴らしながら、それぞれの名前を呼びました。
もう、戻って来ないだろうと思いながらも、10分程だったか鍋をカンカンと鳴らし続けていたその時です。遠くから小さい連中がヒョコヒョコ、ピョンピョンと懸命に私の所へ向かってきました。今でもその光景が目に浮かび、その愛らしい走りっぷりにホッコリとします。

小学5、6年生の時、去勢をしていないメス猫2匹が同じ時期に子供を生み、数週間でしたが、我が家には最多で12匹の猫達がいました。

なぜ数週間かというと、流石にその状況になって慌てた母が、懸命に子猫達の里親を探し、1匹残らず引き取られていったからです。

私は恐ろしく大泣きし、母を世界中で一番嫌いだと言ったそうです。

猫嫌いな母でしたが、次第に猫の可愛さに気づいたのか情なのか、一緒にご飯をあげたり写真を撮ったり、また、家の中で猫を飼うことを許してもらう程になっていたので、裏切られた気持ちでいっぱいだったのでしょう。

猫の出産への立ち会いの経験は皆さんそうそうないと思いますが、私は2回あります。

ある日、お腹が大きくなった母猫に気づいたため、人生最初で最後の猫の本を買い、猫の出産について調べました。

母猫を静かな場所に置いた段ボールの寝床に移し、部屋を薄暗くしてそっと見張りました。

本には、出産を控えた母猫は必要以上に警戒しているため、いくら飼い主でも近寄って構ったり、驚かせるようなことをしてはいけない、静かに見守るように、と書かれてあったと思います。
出産を待つ旦那様の気持ちとは違うかも知れませんが、気が気ではなく、ちょこちょこと覗きにいきました。

待ってましたとばかりに、一匹目が出てくるところを目撃した私は、本の教えを忘れ、すぐさま母猫の近くにかけ寄り、身体をさすりました。
母猫は、怒ることなく私に撫でられていたそうです。母がドキドキしながら廊下の隅から見ていました。
ヌルヌルした膜に包まれたお芋みたいなものが出てきたのを、ボンヤリと覚えています。

つづく