猫は食べ物の好みにうるさく、食べムラもある生き物です。「元気なのに急にご飯を食べてくれなくなった」「食欲不振なので血液検査をしたけれど何も異常はなかった」という経験がある飼い主さんも多いのではないでしょうか。飼い主にとって、愛猫がご飯を食べてくれないときほど心配なことはありません。そのため、次々と新しいフードを買ってきては試すということになりがちです。しかし、同じフードでも工夫次第でまた食べてくれる場合があります。今回は、愛猫の食欲をアップさせるために飼い主ができる7つの工夫を紹介します。
猫は匂いに敏感
まず、猫が食事の際にもっとも重視しているのが「匂い」です。猫は人間よりもはるかに優れた嗅覚を持っており、フードの好き嫌いを基本的に匂いで決めているといわれます。次にフードの触感、味覚、そして必要な栄養素を満たすかという生理的感覚という順番でフードを食べるかを判断しています。つまり、猫にとってフードの匂いは味よりも重要なのです。

未知の匂い!
フードの匂いをアップさせるためにできる工夫は次の4つです。
工夫1.温めてみる
ウェットフードもドライフードも温めると風味が増します。猫は40度前後のフードをもっとも好むといわれています。食べてくれないときは、まずは温めてみましょう。
工夫2.好きなフードと混ぜる
猫が好きなフードと混ぜてみる方法もあります。好みの匂いにつられて食べて欲しいフードを食べてくれる場合も。
工夫3.お茶パックを使って好きな匂いをつける
猫が好みそうなだしパックやいりこなどをお茶パックに包んでフードパウチの中に入れ、匂いをつけてみるのも手です。療法食をあげているときなど、別のフードを混ぜることに抵抗がある場合にもおすすめです。
工夫4.小分けパックに切り替える
ドライフードは長期保存に優れていますが、開封するとどうしても鮮度が下がります。最後のほうになると食べなくなる場合は匂いが落ちているのかもしれません。割高にはなりますが、同じフードでも小分けパックを与えるほうが食いつきは良くなります。さらに、脱酸素剤なども入れて少しでも鮮度を保ちましょう。
匂いをアップさせても食べてくれない場合の工夫
匂いをアップさせても食欲が変わらない場合は、ほかに原因があると考えられます。その場合に試すとよい工夫は次の3つです。
工夫5.砕いてみる
年齢と共に、大きな粒や固い粒が食べにくくなってくるケースもあります。猫が食べにくそうにしている場合は、専用のフードクラッシャーを使って細かく砕いて与えてみましょう。好きなフードと合わせて砕いてみるのもおすすめです。
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工夫6.お皿を変えてみる
使っている食器が猫の好みに合わない、食べにくい場合もあります。猫はプラスチックやステンレス製よりも陶器製のお皿を好む傾向にあり、猫の体格に応じてある程度高さがあるお皿のほうが食べやすくなります。また、食べ残しや唾液がついたお皿を嫌う猫も多いので、食事のたびにお皿をキレイに洗ってあげましょう。

わが家では色んな高さのお皿を用意
工夫7.手のひらからあげてみる
お皿からは食べなくても、飼い主の手のひらからは食べる猫もいます。ペースト状のフードの場合、指につけるとペロペロと舐めてくれる猫も。手のひらから食べて安全なフードだとわかると、食器で食べ始めてくれる場合もあります。
まとめ
猫は人間が思う以上にフードの匂いを重視しています。鮮度を保つほか、好きな匂いをつけるなどして、無理なく猫の食欲増進を目指しましょう。匂いのほか、使っているお皿や食事スペースなど、猫の食事環境を見直してあげることも大事です。
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文/こしあんブルー
キャットケアスペシャリスト
キャットシッター