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猫の腫瘍は犬と比べて悪性のことが多い?早期発見のコツとは


これは私の実家で飼っているアビシニアン(メス 12歳)のグレースの話です。ある日、私の母が何気なくグレースの体を撫でていたとき、右太ももにできものがあるのに気付きました。気付いたときには、すでに直径1.5cmもの大きさになっており、すぐにかかりつけの動物病院で検査を受けることに。このように猫の体にできものがあるのに気付いたときには、できるかぎり早期治療を行いましょう。なぜならば、犬と比べても猫の腫瘍は悪性のケースが多いためです。特に高齢猫の場合はそのリスクが高いので注意が必要です。

グレース 12歳6カ月(診断時)

体の表面にできるできものは「悪性」と「良性」に分かれる

猫の体の表面にできるできものは、大きく分けて、リンパ腫や乳腺腫瘍などの悪性(腫瘍性)ものと、肉芽腫や毛芽腫などの良性(非腫瘍性)の2種に分類されます。外見だけでどちらなのかを判断するのは難しく、猫の年齢や性別、できものがある場所や形などの要素を踏まえて医師が所見をまとめていきます。そして、組織学的検査などが行われて最終診断が下されるというのが一般的な流れです。

メスの高齢猫で特に注意が必要なのは「乳がん」

猫の腫瘍は悪性のケースが多く、特に乳腺付近にできたシコリは、乳がんの可能性が高く注意が必要です。乳がんになるのは、ほとんどがメスです。そして、不妊手術をしていない高齢のメスに多く発生する傾向にあります。初期はほとんど無症状ですが、早い時期にリンパや肺などに転移する可能性が高いため、シコリに気付いたらできるだけ早く動物病院で診察するのが肝心です。

実家のケース

実家の場合では、気付いた時点で、グレースのできものがかなり大きくなっていたこともあり、すぐに組織学的検査を受け、3日後には切除手術も行われました。検査の結果、幸いにして良性腫瘍である毛芽腫ということがわかり、ホッと胸をなでおろしました。完全切除することができ、予後にも問題なく、本人もいたって元気に過ごしています。ただし、やや発見が遅れてしまったことには反省が残ります。

早期発見のためにできること

発見が遅れてしまった原因ですが、当時実家はあれこれと忙しい状態が続いており、普段のようにゆっくりとグレースの体を撫でてやる時間が持ちにくかったということがあります。腫瘍の治療原則は「早期発見」「早期治療」です。しかし、猫はとても我慢強いため、少々の異変があっても普段通りに過ごそうとしてしまう生き物です。そのため、飼い主がいかに早期発見できるかがポイントになります。早期発見のためにできることは、日頃のスキンシップです。基本的に毎日、愛猫の体を触ったり撫でたりする習慣を持ちましょう。コミュニケーションにもなりますし、腫瘍の早期発見にもつながります。

文/こしあんブルー
キャットケアスペシャリスト
キャットシッター