ねこラム

☆本当にネコ好きの人にオススメしたい感動漫画☆


ネコブーム以来、ネコが題名についている映画や漫画を本当によく目にします。ネコ好きとしてはついどれも気になってしまうのですが、今回は今までに私が読んだネコ漫画の中で、最も心に残っているひとつをご紹介いたします。
少し古い作品で、手塚治虫さんの名作ブラックジャック7巻に収録されている「ネコと庄造と」というお話です。谷崎潤一郎の「猫と庄造と二人のおんな」を思わせるタイトルですが、中身はまるで違います。

手塚治虫の描く、人間とネコの深く純粋な絆

カンタンにあらすじを紹介しますと、ある寒い冬の夜、ブラックジャックは急患だと連絡を受けてある民家に駆けつけます。出迎えたのは野良風のメス猫。そして奥からその家の主という人間の男性が現れて、息子を助けて欲しいと言うのです。怪訝に思いながらもブラックジャックが部屋を覗くと、野良の子猫が人間のように布団に寝かされていました。

猫のイメージ写真1

主人公は庄造という男性。ある大雪の日の雪崩で不幸にも妻子を亡くし、本人は一命をとりとめたものの、頭を強く打ってしまいます。そしてそのときの後遺症で心を病み、ひとりきりで家の前で、帰ってこない妻子を待ち続けるようになりました。そんなある日、迷いこんできた野良猫の親子を自分の妻子だと思い込んでしまうという何とも切ないストーリーです。

庄造は猫たちを自分の妻子の名で呼び、猫たちもそんな庄造に一途に愛情を注ぎます。他人からどう見られようと猫親子と幸せに暮らしていた庄造ですが、頭に脳血腫ができていることが分かります。ブラックジャックが執刀し、緊急手術が行われました。無事に成功し目覚めた庄造の姿に感激して妻の猫が飛びついてきます。しかし正気に戻った庄造には、それはただの見知らぬうすぎたない猫にしか見えなくなってしまったのでした・・・。

何度読んでも泣けるラストシーン

全てを思いだした庄造は、悲しい思い出のつまった地から離れようと引越しを決意します。
背を丸めひとり歩いていく庄造。猫たちがそのあとを追ってきます。
何度も怒鳴られ、追い払われても、決して庄造から離れようとしません。
しかしついに、運命の分かれ道が。目的地にはバスに乗らないといけませんが、動物は乗せることができません。
必死に追いかけてきた妻猫も諦めてうなだれます。そして、なんとも澄んだ表情で自分を見上げる猫を見つめ、庄造は最後の決断をします。このコマの猫は媚びるでもなく懇願するでもなく、邪念のないあどけない表情をしています。作者の動物に対する敬意と愛情を最も感じたシーンです。
感動のラストは、ぜひお読みになって確かめてください(^^♪

猫の瞳には、人間の言葉以上の力が宿っているのかもしれません

猫の瞳には、人間の言葉以上の力が宿っているのかもしれません

 

参考文献
ブラックジャック7 秋田文庫

 

文/こしあんブルー