ねこラム

知ってますか?三年に一度開催されるイーペルの猫祭り


中世の面影を残す趣のある町、イーペル

イーペルはベルギー西部、フランス国境に近い人口約三万五千人ほどの小さな町です。
古くからリネン産業で栄え、中世の面影を残すこの静かな町では、三年に一度、五月の第二日曜日に「猫祭り」が開催されます。
祭りが近づいてくると広場には猫の模様のたれ幕が下がり、お菓子屋さんやパン屋さんには猫をかたどった商品が並び、町中が猫一色で埋め尽くされます。この日ばかりは世界中からたくさんの観光客も集まって町は大賑わいとなり、何百人という猫に仮装した人々が踊りながら町をパレードします。

中心地にそびえる繊維会館会館と鐘楼(世界遺産)

中心地にそびえる繊維会館会館と鐘楼(世界遺産)
City of Ypres-Tijl Capoen

三年ぶり、第45回目となる「猫祭り」が、今年も五月に開催されました。

イベント情報
2018年5月13日(日)
15時からパレード開始(現地時間)
公式ウェブサイト(英語)

なぜ猫のお祭りが行われるようになったの?

起源には諸説ありますが、猫好きにとってはかなり辛い歴史をひも解かなくてはなりません。12世紀~14世紀にかけて、イーペルの町は羊毛の織物業で栄えました。この羊毛をネズミから守るため、飼われるようになったのが猫たちでした。14世紀になると欧州でペスト菌が広がり人々を苦しめました。これら災いは魔女の仕業と信じられており、当時、黒猫は魔女の使いと言われていました。ペストを鎮めるため、魔女狩りと合わせて猫たちも高い建物から落とされてしまったのです。
時がたち、イーペルの町は第一次世界大戦でかなりの痛手を負いました。町の再建、そして暗い歴史を忘れずに不憫な猫たちを悼むために、1938年に初めての猫祭りが行われて今に続きます。
パレードのクライマックスのではチャイムを合図に鐘楼から黒猫のぬいぐるみが落とされ、キャッチすることができた人には幸運がもたらされるそうです。イーペルの文化や歴史の面からも大変考えさせられる「猫祭り」ですが、今では世界中から猫好きが集まる明るく楽しいものに変わっています。

インスタグラムなどソーシャルメディアで、「KATTENSTOET(オランダ語で猫祭りの意味)」、もしくは「CATS PARADE」と検索してみてください。パレード当日の様子などがアップされていると思います。

筆者ベルギー在住時代の愛猫

筆者ベルギー在住時代の愛猫

 

参考文献
https://www.ieper.be/ (イーペル公式ウェブサイト)
「’16 ‘17 地球の歩き方 オランダ ベルギー ルクセンブルク」ダイヤモンド社

 

文/こしあんブルー